ゲーム理論を知れば、どんなことに活用できるのでしょう?

 ゲーム理論は経済学の分野で成熟してきたこともあり、企業間の競争、協力、競争などでよく利用されています。よく使われているのが価格競争の戦略をゲーム理論で考えるというものです。仕入れ価格に対して利益の設定をどうするのか? どこまで相手と競争して値引きをするのか? など企業間の戦略をゲーム理論で見ると最適な方法が見えてきます。

 たとえば企業同士が互いの行動を読みながら意思決定をし、戦略を選んでいくメカニズム解明するのは今までの理論では不十分でした。ライバル社を見据えながら、消費者の行動を推測し、価格を設定する。経済活動がグローバル化、情報化していくなかで、ゲーム理論は次第に活用されるようになっていったのです。ゲーム理論が普及するようになったのは、ゲーム理論が経済学と結びついたことで、現実的な検証や分析、応用のできる存在になったからであるでしょう。

「理論」という言葉から、数学などの机上の学問と誤解されることもあります。ところがゲーム理論が応用されている範囲は多岐に渡っていてに様々な場所で活用されているのです。身近なところではオークション。オークションの入札金額設定はゲーム理論を用いれば、どのような戦略で臨むと有利なのかがわかってくるのです。

 また企業内の物流の最適化、販売促進、組織編成、また企業と従業員の労働条件交渉にも応用できます。経済や経営を離れ、軍事戦略といった分野でも応用されています。さらには種の保存、遺伝など生物学でも使われ、幅広く影響を与えているのです。地球温暖化問題のような国と国の利害関係が絡む複雑な問題も、対立を回避して国際協力をしていくのか、国際同一規定の取引基準をどう設定していくかなど、問題解決の現実的な処方箋を構築することにゲーム理論が果たす役割はますます大きくなっています。