行列の魅力

〜行列に並ぶ心理/同調行動〜

 人は行列が好き。アトラクションや人気商品を購入するのには、何時間も待たされても行列に並ぶ。これはどうしてだろうか? 「それは並ぶ価値のある商品だから」。多くの人はそう答えるだろう。でも、本当にそれだけだろうか?

 もちろん魅力的な商品であるのはあたりまえだが、それに加えて行列には人を引きつける魅力がある。人は行列を見て「大勢の人が評価しているから、魅力的なものに違いない」という逆の発想をする。それに人は誰かと同じことをすることに安心感を生じることがある。心理学ではこれを「同調行動」という。そして、並んで買ったという達成感が、ある種の満足感をつくり出す。

 もちろん、この行動には個人差がある。面白いことに地域性もある。関東人は関西人よりも行列に参加しやすいと言われている。関東人は特に「そうしないと周りから取り残されるのではないか」という脅迫観念が強い。逆にいえば商品購入の際には、行列に並んだ商品を持っていけば、話題性に加え一定の評価が得られるという安心感を強く持つ。関東人はこの感覚に弱い。好意的に解釈すれば流行に敏感なのである。

 近年、雑誌やテレビでショップが取り上げられると、すぐに人気が集まる。人は「味」「デザイン」のような評価が複雑で個人差があるものを自分で判断しなくなっている。ブランド品が良質だからという理由ではなく、金銭的に高価ということでステータスになるのと同じように、行列は時間というものを消費する一種のブランド商品になっているようである。