暖色と寒色
〜心理的に暖かく感じる色と寒く感じる色〜

 色には暖かく感じる色と寒く感じる色があるぞ。これは色彩が持つ心理効果の中で、もっとも一般的なもじゃ。赤・オレンジ・ピンクといった色は「暖色」と呼ばれる色のグループ。火や太陽をイメージし、暖かさを感じる色なのだ。また青、緑、青緑などは「寒色」と呼ばれていおる(緑は中間的に使われることもあり「寒色」として評価しないこともあるようだ)。寒色は氷や水をイメージして寒さを感じる色。四季のある日本で暮らす日本人は、いっちょまえにこの暖色と寒色の使い方がまあうまい。季節によってインテリアやファッションをうまく調整しておる。夏になると涼しい色の服を着るなど、暖色や寒色という言葉を知らなくても、多くの人は、色による温度差の感覚を持っていて、体感温度をコントロールしているぞ。

 この暖色と寒色の体感温度は、明度が大きく影響を及ぼす。明度の高い色は全体的に涼しく感じ、明度の低い色は全体的に暖かく感じる。青より水色の方が涼しそうに思えるし、ピンクよりも赤の方が暖かく思える。

 ここで注意したいのが、この暖色と寒色における暖かさと寒さは個人差が大きいということじゃ。この個人差は好き嫌いではなく、経験によって培われた感覚が大きく影響を及ぼす。つまり育ってきた環境次第で、その感覚が大きく変わるのじゃ。

●怪異! 赤い扇風機

 夏になると登場する扇風機。この扇風機の色に注目してみると寒色系を中心に、白や黒、グレーなど商品が中心。赤い扇風機は、ほとんど見かけたことがないだろう。ごく僅か市場に流通しているのみで一般的ではない。これだけ多様なニーズがある中で、明らかに不思議と思わんか。しかし、これにはしかるべき理由があるのじゃ。涼を求めて使う扇風機が暖色だと、暖かさを感じてしまい、涼しさを感じなくなってしまうからじゃ。イメージ的に暖かい風を送る赤い扇風機は、機能的ではない。寒色系や白、グレーといった扇風機が送る風は、心理的に涼しく感じるのじゃ。

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色には温度感覚を狂わす効果があるのじゃ
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