膨張色と収縮色 赤、橙、黄色のような暖色系の色は、実際のものよりも大きく見える。青、青緑のような寒色系の色は、実際よりも小さく見える。この大きさは色相だけでなく、明度が鍵を握っており、赤でもピンクのような明度の高い色は、膨張色としてより大きく見えるぞ。逆に収縮色は、寒色の中でも明度の低い色。紺のように明度の低い色が小さく見える収縮色なのじゃ。明度のない黒も収縮色の代表格。冬場になると女性が履いている黒いストッキングを見て、「あの人は意外と足が細かったのね」と思ったら、それは色彩のマジックに魅せられた証拠じゃぞ。人間が華飾性から色彩心理を見事に活用した例じゃのう。さらに、収縮色をうまく使うと、痩せて見えることがあるぞ。それには寒色系の低明度、低彩度の服をコーディネートするのがお勧めじゃ。特に下半身に使うとすっきりと引き締めて見える。人間はどうしてこうも痩せて見えることにこどわるのかワシにはようわからん。 ●フランス国旗に隠された秘密 フランス国旗は青、白、赤のトリコロールカラーと呼ばれておる。青は「自由」、白は「平等」、赤は「博愛」を表わしているそうじゃ。この3色は以前、37:30:33という比率で構成されておった。膨張色の白を抑えて、収縮色(後退色)の青を大きくしてあげないと均等に見えないからじゃ。ところが、1946年の憲法で等分とすることが定められ、その後、1958年の改正により「均等」の文字はなくなったが、その後も3等分の原則は守られておるす。色彩の効果が国の憲法も動かした面白い例であるな。 |
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