ゲーム理論ではゲームを三つの要素に分解することができます。

1 プレイヤー

2 戦略

3 利得


1 プレイヤー

 登場する企業や個人をプレイヤーと呼びます。ゲームによってプレイヤーは2人、3人、複数と様々です。1対1のこともあれば、企業対企業のようなケースも存在します。

 ゲームの前提条件としてプレイヤーは下記のような基本的原理で行動すると設定しています。

・自分の利得が最大となるように行動する

・合理的にものを考え自分が損する行動をとらない

・勘違いや思い違いはしない

 実際の人間はいつも必ず合理的な行動を取るとは限りません。最大の利益を常に求めているわけではありませんし、思い違いや勘違いもします。しかしゲーム理論ではプレイヤーは自分の利益になることを考え、ミスのない形で行動します。相手が最大級自分のメリットになる行動を予測しすることで、最善の戦略が見えてくるからです。自分の最適な行動は他プレイヤーの行動によって変わり、他プレイヤーにとって最適な行動は自分の行動によって変化します。

 プレイヤーは勘違いや思い違いをしませんが、自分の利得のためなら執拗に交渉し、協定を使い約束をとりつけ、ときには強迫することもあります。ゲーム理論の世界でもプレイヤーは様々な手を使って自分の利得確保に奔走するのです。


2 戦略

 戦略とはゲームのなかでプレイヤーが目的達成のためにどのような行動をするかという計画、行動予定のことです。価格を競争している店舗の場合なら「100円」「80円」といった商品の販売価格になります。じゃんけんならば、相手と勝負をするときに「グー」「チョキ」「パー」の中からどの手を出すかというのが戦略になります。

 ゲーム理論では様々な戦略的な状況が登場します。自分にもたらされる結果が自分の行動だけで決まるのではなく、他人の行動によっても左右されることを忘れず考えなくてはなりません。


3 利得

 利得とはプレイヤーの利益のことです。利得はゲームによって金銭であったり、商品の販売数であったり、単位も様々です。価格を競争している店舗の場合なら利益が利得になります。また、じゃんけんの勝ち負けなど単純に数値化できないこともあります。その場合は勝ちを「1」、負けを「-1」あいこを「0」などと設定して、数値的に比較できやすくすることがあります。

 ゲーム理論では「プレイヤー」が自分の「利得」が最大になるようにどの「戦略」を選択すべきか、単純化して客観的にわかりやすく見ることができます。その中で自分に最適な行動を選択でき、大きなメリットを生むようになるのです。